世話人・事務局

■世話人の一部変更について

2018年4月から、鈴木敦史が新たに世話人に加わりました。
これによって世話人は、池田雅則・奥村典子・釜田史・軽部勝一郎・佐喜本愛・杉浦由香里・鈴木敦史・須田将司・高野秀晴・鳥居和代・樋浦郷子 (五十音順)の11名となります。

■事務局について

事務局は釜田史が担当しています。
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日本教育史研究会の世話人を代表して

(『日本教育史往来』No.227,2017年4月30日)

本会創立から37年目となるこの4月より、新たに世話人代表の任を引き継ぐことになりました。2010年4月に世話人に着任して以来、これまで7年間、本会の運営に微力を尽くして参りましたが、当初予定していた任期を1年延長し、今後2年間、代表として本会のお世話を続けていく決心をいたしました。気づけば、現世話人の中では最古参であることに自分でも驚いています。

私的な有志の集まりからスタートした世話人体制は、長きにわたり本会の組織原理であり続けてきました。発起人である第一期世話人を別にすれば、その時々の世話人集団が一定の条件のもとに会員の中から新世話人候補を選び、そのうち世話人就任を引き受けた有志らが、本会の運営を代々受け継いできた経緯があります。あえて会員の役員選挙に依らない世話人による会務運営は、既成の学閥や学会の権威から離れた風通しのよい研究交流の場を作り出そうとした、本会の設立趣旨と相即不離なものでもあります。

しかし、このような趣旨を私たちが世話人を引き受けた時点でどのくらい深く理解し、共有することができていたかと問われれば、否定的な答えにならざるを得ません。だからこそ、世話人として会務に携わることがどのような意味を持つのか、何のために世話人を続けるのか、従来からの慣行という以上に世話人体制を維持する意義はどこにあるのかを、過去の世話人がおそらくそうであったように、私たちもまた本気で議論し自問自答してきました。この意味で、私たちは「世話人」でありながら、その地位に安住することは決して許されず、今なお「世話人」であることを模索し続けている(しなければならない)存在です。会員に対する責任ある仕事は、こうした模索を経ずには為し得ないと考えています。

競争的環境の中で、大学は依然として厳しい状況に置かれています。運営費交付金削減による国立大学の人件費抑制と任期つき若手教員の増加、私立大学等の経常的経費に対する補助割合の下降、科研費申請の有無によるアメとムチ(学内研究費の増額または減額)、人文・社会科学系の学問や基礎研究の軽視、教員評価システムの導入と処遇への反映、グローバル化推進事業にともなう対応(授業の英語化等)、学内業務の一層の多忙化など、大学における自律的な研究・教育の営みを困難にする事態がますます進行しています。学校現場はもちろん、文書館や博物館等もまた、予算不足・人員不足や業務の多様化・多忙化など同様の困難を抱えています。

本会の会員(世話人を含む)と教育史研究を取り巻く現状は決して楽観できるものではありません。そのような中でも、350名近い会員で構成されながら、今なお私的な研究会という原則に立脚する本会のお世話をする身として、私たちに変わらずできること、求められていること、もっと自覚的に取り組むべきことはあると思っています。学会組織に象徴される「正統性」からは一定の距離を置き、世話人同士の話し合いによって、互いの見解の相違を調整しつつ合意に達した結果として、世話人が積極的に奨励したい、学界に投げかけたい論考を機関誌『日本教育史研究』に掲載する、あるいはそのようなテーマでサマーセミナーを企画・実施するなど、既存の枠組みには必ずしもとらわれない、むしろそれを押し広げるような教育史の学術上の価値を追究しようとする試みがそれです。

もっとも、こうした世話人の試みには、それ相応の勇気と覚悟がいります。世話人の問題意識のあり方や判断の妥当性が、常に外部から鋭く試されざるを得ないからです。したがって、世話人のいささか大胆な試みを可能にするためにも、また同時に、外部的なチェックに開かれ、それに耐えうるものであるかどうかを保証するためにも、『日本教育史研究』掲載論文・ノートに対する「論評」の存在、ニューズレター『日本教育史往来』誌上での問題提起や論争の場の確保、サマーセミナーにおけるオープンな議論の場づくりは、いずれも不可欠な要素となります。それ以前に、まずは世話人の内部において互いに議論を尽くし、常に自分たちに厳しくあることが大前提です。

本稿は奇しくも、本会創設の呼びかけ人のお一人、梅村佳代会員による同志・千葉昌弘会員への追悼文と同じ誌面に掲載されることとなりました。本会のことを常に心にかけ、折に触れてお叱りや励ましをくださった故人を偲んで、世話人一同、謹んで哀悼の意を表します。第一期世話人の志に改めて思いを致しつつ、今後も引き続き会務を全うしていく所存です。会員の方々のご理解とご支援をいただければ幸いです。

2017年4月

世話人代表  鳥居 和代